先日RedBull Racingの2023年新車発表会が開催されました。
目玉は新車発表のはずでしたが、蓋を開けてみれば、2026年からのRedBullとFordの提携発表会イベント?! みたいに個人的に感じました。
これで、レッドブルとホンダ提携の関係は、2025年で終わることが明確になりましたね。
しかし、ホンダは2026年からのPU製造メーカーとして登録を済ませています。
ホンダとしては、まだ参戦に直結する話ではないと言った趣旨のコメントをしていますが、2026年からはどうなるのか?
クリスチャン・ホーナーの発言からは、ホンダは何かしらの計画がありそうな感じも伺えましたが、発表があるまで心配ですね。
色々な可能性が考えられそうですが、2026年からの参戦について、期待を込めて勝手に想像してみます。
Contents
2026年以降の参戦可能性
※あくまで個人的な意見です。
既存のチームへ供給
まず考えられるのは、現在参戦しているチームと提携してPUを供給することです。
しかし、可能性のありそうなチームは限られてきます。
今の時点で可能性が有りそうなのは、ウィリアムズ、マクラーレン、ハース、アストンマーチンでしょうか。
・ウィリアムズ
ウィリアムズはメルセデスとの関係が強そうなので、PU供給は難しそうです。
ただし、あくまでも今の時点での関係性なので、2026年までに変化があるかは分かりません。
また、“勝てる“チームではないので、ステークホルダーの理解が得られるかという問題もありそうです。
でも、プライベーターでここまで長期に参戦し続けている素晴チームなので、頑張っていただきたい。
・マクラーレン
次に、マクラーレンですが、メルセデスとの関係も強くなさそうです。
チーム力も含めて、条件的には1番良さそうに思えます。
展開によっては、スポット的に1勝くらいあるかもしれないと思います。
しかし、2015年から2017年までのことが気になりますね。
提携解消の仕方があまりにも良くなかったので、あの時のミゾがどれだけ残っているか。。。
再び協業して、良い結果を得ることができるのか。。。
マクラーレン側が、ホンダ含めてPUサプライヤーと接触しているとの記事もありましたので、今後を見守りたいと思います。
・ハース
ハースについては、フェラーリ色を薄くしたいという話もあるみたいですが、先日発表のあった2023年マシンを見ると、だいぶフェラーリ色が濃いように見えました。
アメリカのチームなので、ホンダが組むのはプロモーション的にはありかもしれません。
ただ、残念ながら、ハースも“勝てるチーム“ではないです。
・アストンマーチン
アストンマーチンは、どうなんでしょう。。。
メルセデスとの繋がりがある程度強いようにも見えますし、そうでもないようにも見えます。
市販車販売がメインの自動車メーカー同士のタッグは難しいのかな。
あと、ドライバーがアロンソというのは、個人的にトラウマを感じずにはいられません(笑)
既存チームへの供給は、可能性がありそうですが、“勝てるチーム“への供給は難しそうです。
マクラーレンあたりが、もう一段早くなると、グランプリ全体がもっと面白くなるんですけどね。
新規チームへ供給
新しく参戦すると言われている、アンドレッティ・キャデラックと提携して、PUを供給する可能性を考えます。
まだPUサプライヤーが決まっていない(発表されていない)ので、可能性はあるでしょう。
インディカーシリーズにおいて、アンドレッティ・オートスポーツへエンジンを供給しているのはホンダですし、ホンダとGMは、EV関連の業務提携があるので、1番自然な感じがします。
しかし、参戦1年目のチームが勝てるとは思えないことと、他にもカスタマーチームが欲しくなるでしょう。
シャーシの方向性が正しいのか?
PUの性能が出ているのか?
新規参戦チームだけでは、開発が難しいと思います。
業務提携の現状や、インディのエンジン供給を見ると可能性は結構ありそうです。
が、“キャデラック“の冠がついていると、マーケティング的にはどうなんでしょう?!
HONDAとしてフルワークス
チームホンダとして再びフルワークスとして参戦する可能性について考えてみます。
どこかのチームを買収して参戦するというのが、1番可能性がありそうです。
が、買収の可能性がありそうなチームが、見当たらないですね。
1番可能性がありそうに思えた(個人的に勝手に思ってただけです)アルファタウリも、今の時点で売却は否定していますし、前述の4チームはかなり可能性が低そうです。
また、全くの新規チームで参戦するには、既存のF1チームの承認や、さまざまなプロセスが必要なので、今の時点で決まっていなければ、かなり厳しいのではないでしょうか。
個人的には、もう一度“チームホンダ“を見てみたいですが、現実的には難しいですかね。
撤退
PU準備ができているにもかかわらず、供給先がなく結果的に撤退。。。
参戦の可能性ではありませんが、可能性がゼロではないのかなと。
これだけは避けたいですね。
以上、勝手な個人的思いでしたm(_ _)m
最後に、HONDA F1の歴史を、超簡単に整理しておきます。
HONDA F1の歴史
第1期:1964〜1968
本田宗一郎さんの指揮のもと、フルワークス体制参戦。
1965年のメキシコGPにて、リッチー・ギンサーのドライブでRA272が初優勝。
通算2勝を果たす。
第2期:1983〜1992
1983年に、スピリットレーシングを設立して参戦。
しかし、F2マシンをベースとしたマシンは戦闘力不足で、これと言った成績を残せていない。
翌1984年にはウィリアムズへエンジンを供給し、第9戦アメリカGPにて優勝。
1986年、ネルソンピケとナイジェルマンセルのドライブによって、ホンダ初のコンストラクターズタイトルを獲得する。
1987年、ロータスへのエンジン供給と共に、中島悟が日本人初のレギュラードライバーとしてF1へフル参戦。
日本でF1ブームが起こる。
1987年から1991年までの5年間、ドライバーとコンストラクターの“ダブルタイトル“を獲得するという、素晴らしい結果を残した。
強烈に印象に残っているのは、1988年、マクラーレンへエンジン供給したMP4/4で、セナとプロストによる16戦15勝という圧倒的なシーズン。
第3期:2000〜2008
エンジンサプライヤーとしてB・A・Rチームへエンジン供給により参戦。
そして、2006年には、B・A・Rチームを引き継ぐ形でフルワークス参戦すると同時に、元F1ドライバー鈴木亜久里率いるSUPER AGURIへエンジンを供給。
しかし、フルワークスもSUPER AGURIも良い結果が残せない中、サブプライムローン問題に端を発した金融不安からの資金問題を理由に、2008年をもってF1撤退を発表。
ホンダは、チームをロス・ブラウンへ1ポンドで売却。
2009年、HONDAの開発したシャシーなどを引き継いだブラウンGPは、なんとダブルタイトルでシリーズチャンピオンを獲得した。
2010年、ブラウンGPをメルセデスへ売却し、現在のメルセデスチームに至る。
メルセデスが使用している設備の一部は、当時HONDAが作ったもの。
第4期:2015〜2021
エンジンとエネルギー廻生システムをもつ“PU“サプライヤーとして参戦。
マクラーレンへPUを供給。
往年の“マクラーレンホンダ“の復活が期待されたが、結果的にはうまくいかなかった。
パワー不足や信頼性の欠如により、次第に関係がうまくいかなくなり、2017年いっぱいで袂を分つこととなる。
2018年からは、レッドブル傘下のトロ・ロッソ(今のアルファタウリ)へPU供給する。
このジョイントから、PUのパワーや信頼性も向上し、2019年からレッドブルへ供給を開始する。
2019年第9戦 オーストリアGPで、マックスフェルスタッペンが優勝し、PU供給開始して初めての勝利をもたらした。
ポディウムでHマークを指差していたのが印象的です。
2020年10月2日、2021年をもってHONDAの撤退が発表された。
マックス・フェルスタッペンが2021年ドライバーズタイトルを獲得し、ある意味有終の美を飾った。
続く2022年はHRCとしてRBPTへPUを供給し、ダブルタイトルを獲得。
しかし、2022年は“HRC“としてのPU供給のため、“HONDA“のタイトルではない?!
第四期が、2021年までで良いのかは悩みどころです。
まとめ
つくづく、“2021年で撤退“ と舵を切ったことが悔やまれます。
もしかしたら、撤退発表をしていなくても、2026年からはレッドブル以外への供給となっていたかもしれません。
2026年からも参戦を続けるならば、ぜひ長期的な継続参戦をお願いしたい。